戻る

Dr.Fujitaのコメント: 真実が、直ちに世間に認められるとは限らない。

第2章では、このように述べています。

真実、真理は、それまでの既得権益にふれる場合にはその傾向が著明です。

確かに、真実が認められるまでに100年、200年も必要な場合すらあるのです。

 私たちが行っているO-リングテストも、このように語られる日がやがてくることでしょう。

-リングテストは、その始まりから既に30年が過ぎ、アメリカでの知的特許権を獲得したのが1994年のことですから、

それからでも15年も経っています。

偉大な発見ほど世間には認められるのに時間がかかると言われます。

-リングテストを信じる1人として、世間の抵抗の大きさには呆れ果ててしまいます。

 そんな共感を覚えるB17の物語は、次第に核心に入っていきます。

以下、第2章からの引用です。

 

          第二章 一日一個のリンゴ

 科学の歴史は、それまでの固定観念や誤りに対する挑戦の歴史でもあろう。

世界的に偉大な多くの発見者たちは、その新しい説を、初めは必ず科学界から反対されたものである。

発見の先覚者たちは、ペテン師だとかヤマ師だとか非難されたり、嘲笑されたりするのが常である。

コロンブス″は地球が丸いと考えたばかりに、激しい攻撃にあい、

プリュノー”は地球は宇宙の中心でないと主張して、火あぶりの刑で命を失い、

ガリレイ″は地球が太陽のまわりを回っていると人びとに教えたために、刑務所に入れられた。

ライト兄弟″は機械で空を飛ぶ計画を立てて、世人に大笑いされながら毎日を過ごした。

こんな物語は、いまでは理解しにくいだろうが、この近代科学の時代になってもなお、先覚者たちは同じようにいばらの道を歩くことが多い。

-中略-

X線の発明者”ウィリアム・レントゲン″は、初めイカサマ師といわれ、X線は寝室のプライパシーを侵害する悪玉とののしられた。

ウィリアム・ジェンナー”も天然痘ワクチンを開発して人類に大きな恩恵を与えた偉大な科学者であるが、
イカサマ師と非難され、子供にまで残酷な実験をしたと、その非人間性を指弾された。

-中略-

発見の先覚者といばらの道

 何世紀も前から、海軍の遠洋航海で壊血病が起こり、難問題になっていた。

イギリス海軍の調査統計では、1600年から1800年の間に百万人を超す船員が壊血病にかかったことが記録されている。
その原因は、潜伏しているバクテリアかビールスか毒素と考えられ、研究されたが、努力もむなしく挫折を繰り返していた。

しかし、すでに数百年も前から、その治療法は知られているし、記録にも残っている

 1535年の冬、フランスの探検家ジャック・カルチエは自分の船で航行中、セントローレンス川沖合いの氷山に閉じ込められた。

壊血病が発生し、110人の乗組員のうち25人を失い、残りの者も重症者が続出して回復の見込みもたたず、全滅の覚悟をした。

 このとき、親しいインディアンが簡単な応急策を教えてくれた。

白松の樹皮や葉の汁液―ビタミンCを含むーを飲んだのである。

そうしたところ、奇跡的に人びとは回復し、難局を切り抜けた。

ヨーロッパに帰ると、このことは早速医学の権威者に報告された。

だが、専門権威者は、この無知無学な野蛮人の治療法を一笑に付して耳をかさなかったぱかりか、
ことの本質を見きわめようともしなかった。

 学術上のメンツのため、200年もの長い年月の間、この簡単な治療法の発見が見過ごされてきたともいえよう。

医学の専門家たちが、この新しい知見を認めて、それを応用するまでに、何百万人もの生命が犠牲になってきた。

 1847年、イギリス海軍の一青年外科医ジョン・リンドは、オレンジやレモンで壊血病から救われることを発見し、
イギリス海軍に船にはかんきつ類を必ず積載するように進言した。

しかし、それが採用されるまでに48年間もかかった。

もちろん、この青年外科医の提言を採用してから、イギリスは他の海運国をはるかに引き離して、7つの海を制することになったのである。

”ビタミン療法”に対する科学的偏見を鮮やかに征服したイギリスの偉大さは、いくら賞賛しても決して誇張になるまい。

 今世紀に入ってからも、歴史は相変わらず同じ失敗を繰り返している。

一世代前にアメリカ南東部で多数の人びとが「ぺラグラ」と呼ぱれる恐ろしい病気で倒れた。

-中略-

 しかし、すでに1914年には、ヨセフ・ゴールドバーガー博士が、この病気は食事に問題があり、
レパーやイーストを摂取すれぱ簡単に予防できる、と証明している。

この発見から遅れること約30年、1940年代になってやっと「モダン・メディカル・ワールド誌」に、
このペラグラという皮膚病はビタミンB群の欠乏症であると認められた。

 悪性貧血の物語もまったく同様な経過で、ビタミンB12が認められるまでは迫害の歴史を重ねてきた。

いろいろな病気が、ビタミン類の不足によって起こるという簡単な事実を、
科学がなぜ容易に承認しないのか、まったく不思議である。

-中略-

とくに自分たちより低い知識層の説などには耳を傾けようとしない。

科学者は、どのような問題でもなるべく複雑な答えを考えるように習慣づけられて、門外漢の意見など無視する習性に支配されきっている。

今日、医学博士の称号を取るためには10年の歳月と専門教育がかけられているが、
「癌の問題」こそ、直面する最大の課題の一つであろう。

 もし、われわれが毎日食ぺている食物、あるいは食べていない食物の中に「癌を予防する成分がある」とわかったら、
いかにすぱらしい発見であろう。

その他の現代の難病でも「食事療法」がなぜ、もっと追究されないのだろうか。

-中略-

癌とは基本的にビタミン欠乏症である

 1952年以前に、サンフランシスコの生化学者エルネス卜・T・クレプス二世博士は、

壊血病やペラグラと同じように、「癌」はバクテリア、ピールス、毒素などに起因するものではなく、
近代人の文明食の中に必須成分が欠乏しているために起こる病気であり、一種の栄養欠乏症だという理論を展開している。

 さらに博士は、その必須成分は1200種以上の食用植物に含まれていて、
世界各地で発見できる「ニトリロサイド化合物」であると指摘している。

すなわち、苦扁桃、杏、さんざし、さくらんぼ、ネク夕リン、桃、梅、カツサパ、亜麻のタネ、リンゴのタネなど、
主としてパラ科の「種実の仁の中」にとくに多く含まれている。

これらは、近代文明の歩みとともに次第に食事の献立てから消えてしまったものぼかりである。                               

 このニトリロサイドは、食物中の「特殊な微量成分」であり、砂糖とか澱粉のような多量栄養素と違って、
むしろ正常な新陳代謝に必要なものであり、名前をつければビタミンの一種である。

この特殊成分はぺ-タ錯塩として発見され、ビタミンB群としては第17番目なので、クレプス博士は「ビタミンB17」と命名した。

この成分は医薬ではないと、次のように解説している-―

 ニトリロサイドは薬ではなく、必須栄養要素と考えられる。
これに類するものの総称としてビタミンという名前がすでに使われている。

 「慢性代謝病」は自分の体内で発生するもので、代謝の乱れが原因であり、他人に伝染するものではない。

癌もこの慢性代謝病の一つである。

-中略-

 クレブス博士は、医科学の歴史の中で、医薬品、外科手術、あるいは物理的療法で、
慢性代謝病が予防できたり治癒した病例は一例もなかったと断言している。

壊血病、ペラグラ、くる病、脚気、夜盲症、悪性貧血などはいずれも、根本的な解決方法は適切な栄養因子の中で発見されてきた。

現代病、とくに癌の本質をつかんで研究するためには、どこに着目し、どこに科学的関心を集中すべきかが重要な出発点であると、
クレプス博士は強調している。

-中略-

 自然界のどこにでも分布するB17は、特にこれら果物のタネに濃縮されている。

野性の熊は、自然の食物からB17を多量に取り入れている。

熊はB17の豊富な野性イチゴを探すだけでなく、小さな草食動物を殺して、肉の部分より、
とくにB17をたくさん含んでいる内臓や、反芻動物の胃袋とその内容物を真っ先に食べる。

 人間に飼われた動物は、この本能的な食物選択の機会に恵まれない。

サンジエゴ動物園の例では、ー定の餌として量的にも質的にも栄養は完全であるはずなのに、
実際はB17が欠乏し、6年以上の飼育期間に熊が5頭も癌で死亡した。

専門家は、ビールスが原因だと常に推定するのであるが、野生の熊や諸動物に癌は見当らない。

これは非常に重要な点であり、人工的な餌や残飯では食物成分に欠陥が起きやすいことが大きな問題である。

 癌の研究者たちは、どうしてこの事実をまともに受け止めないのだろうか。

また、これらの現象の重要さに気づいていないのだろうか。

 

-中略-

もっと多くの癌研究者が癌を、バクテリアとかビールスなどの条件だけにとらわれないで、
食物とビタミンの問題として取り組んでくれれば、毎年発生率が増加している、このむずかしい癌問題はずっと以前に解決したはずである。

 確かに、アメリカ人は味覚、食物の砥類、食用量り面で、いろいろな食物を豊富に食ベている。

しかし、高価で立派な食品が栄養的にすぐれているとは限らない。

アメリカ人のほとんど大部分は、自分が満足である限り、胃袋につめこんだものは大差ないと思い、
また栄養的にも十分満ち足りていると信じていよう。

彼らは自分の栄養に関しては無頓着のくせに、血統書つきの犬や猫、登録される家畜の飼育にはかなり細かい神経を遣っている。

 食料品店に、精製されつくしたり、合成したり、人工香味料を添加したり、
あるいは合成系保存剤を使った加工食品がぎっしりと並ベられている現状を見れば一目瞭然である。

ダイエット食品メーカーの宣伝は「自社の製品がいかに本物の食品でないか」を自慢しているようなものである。

近代的加工で多くのビタミンが失われることはよく知られているが、後からの添加で補給すれば心配ないとも聞かされる。

 パン、牛乳、その他の所聞く品に、にぎやかに「強化食品」と印刷してあるが、
考え違いしてはいけないのは、自然の食品に戻ったとはいえないことである。

アメリカ老人学会誌の1971年6月号には-―

 一度、食品から失われたビタミン類は、後添加でいくら強化しても元に戻らないし、完全食品ではない。

ロジャー・ウィリアムス博士は、ビ夕ミン強化パンを与えたネズミは栄養失調で死亡するかひどく発育が遅れるが、
自然の飼料を与えるとほとんどのネズミは健康を取り戻すと証言している。

現在、多くの病気の原因は、ビタミンやミネラルの不足である可能性が大きいのであるが、
老衰でさえ、ピタミンBやCの不足が有力な原因だと証明されている。

 どんな小中学校の科学教室でも、すぐ実行可能で、また有効な実験方法を紹介しよう。

 ビタミン強化パンだけを餌として与えたネズミ類は反社会的状熊に陥り、共食いをはじめる。

これは明らかに、不足している栄養素を本能的に摂取しようとする衝動の表れであり、大部分は1〜2カ月の間に死亡する。

強化パンは数多い不完全食品群の中の氷山の一角であろう。

一日一個のリンゴで医者いらず

「キビ」はかつて世界の主要な穀物であったが、B17の含有率が高いものである。

今日では、B17を含有しない麦類にとって代わられた。

モロコシの茎も、B17を含まない「さとうきび」に代わってしまった。

家畜でさえ、B17の含有量の少ない「牧草」を与えられるので、
食用肉もピタミンB17をほとんど含まないものに代わってしまった。

-中略-

「一日一個のリンゴで医者いらず」(日本の‐「毎朝一個の梅干は疫病を防ぐ」に当たる)のいい伝えは、
他の果物もそうであるが、リンゴをタネごと食べた時代のものであって、
タネの中身にこそ有効なビタミン、ミネラル、脂肪、蛋白質が豊冨に濃縮して含まれている。

リンゴのタネこそB17のいい供給源である。

-中略-

 少なくとも過去50年以上に遡ってみると、アメリカ人も天然のビタミンB17を含んだ食物をかなり食ベていたが、
近年これが押しのけられ、今日ではほとんど摂取していない。

このことに比例して癌発生率も増え続けて、今ではアメリカ人の4人に1人がこの病気にかかる運命に直面している。
これが、なんとわずかこの50年の出来事なのである。

 他の病気による死亡率が低下し、人間が長命になったので、それに伴って相対的に癌が増えたのではない。

第一、そんなに平均寿命が長くなったわけではなく、過去50年間にせいぜい1〜2年伸びた程度である。

事実、アメリカ人の平均寿命は1972年に頭打ちになり、人口増加率は実質的にゼロ、しかも癌による死亡率は史上最高に達した。

第二に、統計的にみて、アメリカより長命の国でも癌発生率ははるかに低い。

 だから、これらの重要な事実から、もはやアメリカ人には逃れるすべもない深い苦悩がのしかかっている。

しかし、その解決策はわれわれの眼の前にあるのに、なぜか医学界、薬学界、そして連邦政府、
あるいはアメリカの癌研究所などは、何十億ドルにも達する予算を空費し、
何百万時間の貴重な研究時間を無駄に過ごし、癌の仮想的な原因物質やビールスの研究に血道をあげて、
肝心な「ビタミン療法」に耳をかそうとしないのである。



現実の解答は何千年も語りつがれてきた記録の中に示されている―

神は告げたもう、見よ!神は地上のタネに支えられた薬草を与えたまう、

すべての草木、その種族のタネを保ちて、汝が肉とならん、と。

 

次へ