ゲルソン食事療法体験記
毎日の食事は生きていく上で重要なものです。
そして、あらゆる病気の方にとって、その重要性は計り知れないものがあります。
身近なところでは糖尿病に対するカロリーの制限、高血圧や腎臓疾患に対する減塩食などが思い浮かびます。
勿論、若葉クリニックの最重要課題であるガン治療においても、食事療法は基本中の基本です。
体によいとされる食事は、最近特によく話題に上るようになりました。
例えば玄米食、野菜中心の食事や免疫力を高めるとされる食材も数多く紹介されています。
実際、私たちの若葉クリニックでも免疫力を高めるメニューを数多く作っています。
しかし残念ながら、余命数ヶ月と診断されたガン患者さんの場合、ガンを克服するほどの効果を発揮することはできないでいました。
そんな時、一人の患者さんから「ゲルソン療法」という聞き慣れない食事療法を教えていただきました。
その時には、あまり深く考えずにいましたが、数日後たまたま行った本屋さんで「ゲルソン療法」の本を見つけたのです。
星野先生の「ガンと闘う医師のゲルソン療法」とゲルソン医師の娘さんが書かれた「ゲルソンがん食事療法」という2冊の本でした。
ちょっと読んでみてその内容の特異なこと。
「えっ??」----塩抜き!!----味はどうなるの??
肉、魚禁止---魚もダメなのか??
大量の野菜ジュース!!1日2L以上!!ジューサーで作るとほんの少量しか作れないと言うイメージがありますが----?
などなどと思いながらも読み進めていくうちに、積極的に治療に使おうとしたらこれぐらい徹底的にやらないとダメなのか----という思いに変わっていったのです。
では、ここで「ゲルソン療法」について簡単にお話ししましょう。
ドイツからアメリカへ移住したゲルソン医師が考案したこの食事療法は1930年もの昔に始まり、アメリカやヨーロッパでは非常に有名ですが、不思議なことに日本ではほとんど知られていません。
まず、他の食事療法と決定的に違うのは塩が病気の原因であるとして、塩は禁止です。
(Naを減らして、Kを補給します)
確かに日本でも塩分の摂りすぎが胃ガンの原因になると言われたこともあります。
(そういえば、最近はあまりこの話題はでませんね。何故なのでしょう??)
この路線を徹底的に突き詰めた結果といえそうです。
一方、カロリーの制限はありません。
(断食をすれば、ガンは進行しないという食事療法もありますが---これとは全く反対ですね)
次に、野菜ジュースを大量に摂ります。
1日2〜3L。ほとんど1日中ジュースを飲んでいる感じです。
しかも、作り置きはできません。作ったら即、飲まなければなりません。
そして、肉、魚などの動物性タンパク質の禁止。
さらに、油脂類の制限です。亜麻仁油を熱を加えずに摂る(1日大さじ1杯、15CC)以外は、禁止です。
最後に、糖分の制限(1日小さじ2杯まで、8g位)。白砂糖など精製した砂糖は禁止。
これとは別にゲルソン療法といえばコーヒー浣腸といわれるほど有名。
1日3〜4回行います。
ざっと以上のような食事療法です。
このゲルソン療法を開始すると、2〜3日目には早くも体調が良くなってくるのが感じられるとのこと。
食事療法でこれほど効果を感じられる方法は他にはありません。
そして、これほど制限の多い食事療法も他にはないといえるでしょう。
さて、いよいよ実践開始です。
まずは野菜ジュースから始めました。
星野先生の本では、ジューサーは一般に使われているもので十分だと書かれてありましたが、
10年間で3台目ということもあり、すこし本格的なジューサーを選びました。
一般に使われているジューサーは、絞れるジュースの量が少ないのでは??という基本的な不安もあったのです。
初めにニンジンを絞ってみました。
思いの外、ジュースの量がとれます。これを飲んでみると予想以上に甘くておいしい!!
これはいけそうです。1日10本くらいのニンジンは軽く飲めそうです。
次にリンゴ、これは全く問題なし。すこし甘すぎるほどです。
キャベツ、やや癖がありますが、キャベツ単独でも飲める程度です。
と、ここまでニンジン2本、リンゴ1個、キャベツの葉2枚。これらを混ぜ合わせ飲んでみました。
とてもおいしい!!量的にも問題なく、これなら1日2Lはクリヤーできそうです。
ジューサーの後かたづけ、ちょっと面倒??まあ、専用のスペースがあれば問題ないか?
ここで最も不安な塩抜きの食事の始まりです。
これは、困難を極めそうな予感があります。
以前、免疫力を高める食事を作ったときには、肉や牛乳を使いませんでしたが、
味付けはそれなりにしっかりと付けていましたので---。
星野先生の本でも、まずい!!らしい。
そこでまず紹介されてあるヒポクラテスのスープなるものを作ってみることに。
(ヒポクラテス、さすがに医聖と言われるだけあってスープよ、お前もか----などと感心しつつ)
煮詰めすぎたのかスープというほど水気がない??最後にミキサーにかけたのがまずかったのか?
煮詰める火が強すぎたのか?まあ、でもジュースを大量に飲むことを考えれば、これはこれでいいかも?
さて、お味はと言うと美味しいというわけにはいきませんが、なんとかなりそうな感じです。
とりあえず、ここまでで
Dr. Fujita 用のゲルソン療法を開始することにしました。朝はバナナ1本と野菜ジュース200CC(これまでは調整豆乳を飲んでいたのですが、よく見るとクリームが入っていたので中止)
昼:野菜ジュース200CC、ヒポクラテスのスープ200CC、玄米ご飯と普通の食事の副菜を少々
(なるべく早くに、無塩のレシピを作らなくちゃいけません)
PM3時:野菜ジュース200CC
夜:野菜ジュース400CC、ヒポクラテスのスープ200CC、玄米ご飯と豆腐もしくは納豆。
できるだけ塩を減らしたおかず(週に2回は、魚にしてみます??)
こんな感じでスタートさせました。目標は高血圧と痛風です。
Dr. Fujita の現在行っているのは、次の項目です。
・電子鍼
・臨界水(主に食事に使っています。お茶に入れたり、調理に使ったり、お風呂に入れたり、洗濯機に入れたりと様々)
・月のしずく(こちらは、ひたすら飲んでいます)
・銀水のスプレー(痒みのあるところや、手、顔などに吹き付けています)
・黒ニンニク
・ゲルソン療法
・超高濃度ビタミンC点滴療法(1回
/2週)+ プラセンタ1Aそして、ゲルソン療法をかってに4段階くらいに分けようと思っています。
何故ですって?
ゲルソン療法を忠実に行えるのは、命に後がない患者さんだけだと思われるほど、制限が厳しいのです。
これではせっかくのゲルソン療法も普及のしようがありません。
そこで、少しでも多くの方にこのゲルソン療法を知ってもらい、また実行してもらうために
病気の程度に合わせて、制限を緩めたコースを作ろうというわけです。
(ゲルソン先生ごめんなさい)
これからDr. Fujita が主に塩の部分で取り組みやすいものから、ゲルソン療法と心中するつもりのレベルまで、
試食しながらモデルを組んでいきますので乞うご期待!!
4月中にはなんとか完成させます。
さて、Dr. Fujita の経過報告。
H20年 3/24、ゲルソン療法開始。開始時の体重70kg。このところ、やや食事量が多く体重も少し増えています。
全体的な食事計画は、
@ジュースを1日1Lを目標に飲む
A玄米ご飯とする
Bヒポクラテスのスープを1日2回
Cアルコール禁止
Dコーヒー禁止
E豆腐、納豆、サラダを副菜にする
F揚げ物禁止
G肉・魚の禁止
H塩分を含む副菜は、昼食に少々摂る(昼は病院の入院食を食べるため)
Iお菓子のたぐいも禁止
J土・日曜日は軽めの普通食とする
3/26、開始3日目にして早くも変化が---。体重が68kgまで減っています。
血圧は長年苦しめられています。最低血圧が特に高く、100以上あることも普通でした。
ひょっとして血圧もと思い夜寝る前に測定、124/80。なかなかいい感じです。
血圧は下がり続け、翌3/27就寝前117/76。こんな血圧見たことがありませんでした。
3/28 朝、130/81。そこで、ブロプレスという降圧剤を4mg →2 mg に変更してみました。
仕事中も120/80と絶好調!!来週にはブロプレスを中止できるかも??
尿酸値は、薬を飲んで(どうしても下がらなかったので、2週間ほど前から薬を飲んでいました)
8.2から5.8まで下がっていました。
これも3/27から中止しました。こちらは5.8を維持したままです。
ゲルソン療法も2週目に突入!
尿酸値は、徐々に下がって、5.3となりました。
体重は67kgと少しずつスリムになっています。
血圧は、ブロプレスを2mg
に減らしましたが、最高血圧は140〜150、最低血圧は80〜90と微妙な状態です。
減塩でNa
は減っていると思うのですが、ジュースは仕事をしつつという状態のため、思ったようには飲めていません。
K の供給不足か?
今週からゲルソン療法用のレシピの試食が始まりました。
本に載っているアメリカ版のレシピは、さすがにきつい??
今日はオートミールなるものを食べてみましたが、これはほとんど味見しただけ。
とても食べられたものではありませんでした。前途多難!!
今日のもう一つ、ジャガイモと野菜のホイル包み焼きは、中身がヒポクラテスのスープとほぼ同じなので、同じような感じでした。
レモンのスライスを入れれば良い感じになるでしょう。
現在、レシピ進行中!!
乞うご期待。