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温熱療法、始まる!!

ガン治療は今、あらたなステップを踏み出しました。

ガンに対して免疫力を高めて治療に当たる----それが、私たちの自律神経免疫療法の考え方です。

この免疫力を高めるには、体温を高めると良いことをご存じですか?

 

その最も簡単な方法が入浴なんです。みなさんも、毎日お風呂に入っているのではありませんか?

お風呂に入って、のんびり、ゆっくりすることで副交感神経が優位になり免疫力が高まるのです。

だから、お風呂は最も手近な免疫力アップの方法です。

しかし、カラスの行水やシャワーだけでは免疫力アップは望めません。

疲れをスーッととり、免疫力をアップさせるコツの一つは、ゆっくりつかること。そのためにも熱いお湯は避けましょう。

熱いお湯に短時間つかるよりもぬるめのお湯に少し長めに浸かった方が身体の芯まで温めることができます。

病気は交感神経が優位になって血流障害を起こしていることがほとんどですから、

そもそも入浴はその血流を改善するという意味ではどんな入浴でも効果があります。

風呂好きの日本人が一般的に気持ちがいいと感じるお湯加減は42度前後、ぬるま湯が好きな人は39度くらいです。

お風呂が気持ちいいと感じる理由には、心理的効果、筋肉をリラックスさせる効果以外にも、他の理由があります。

身体を温めると副交感神経が優位となりリンパ球が活性化し免疫力が高まります。

身近な例として風邪をひいたときに熱が出るのは免疫細胞を働かせようと、身体が体温を上昇させているためと考えられます。

日本では、風邪を引いたらお風呂に入らない方がよいといわれますが、

外国には風邪を引いたら積極的に風呂に入る習慣をもっている国もあるほどですから、

そうした国の人々は経験的に身体を温めることが免疫力アップに効果があることを知っているのかもしれません。

 

ガンの患者さんにも大変有効です。

なぜならガン細胞は熱に弱く、免疫担当細胞であるリンパ球が熱に強く

更に温めることで副交感神経が優位となり、リンパ球数が増加するからです。

私たちが最近開始した温熱療法は、この入浴効果を最大限に発揮してより治療に役立てようとするものです。

 

医学的な治療効果がある温泉を療養泉と言い、その泉質は主成分によって大きく9つに分類されています。

単純泉、炭酸水素泉、塩化物泉、硫酸塩泉、鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射線泉それに単純炭酸泉です。

 

私たちの温熱療法は、このうちの炭酸泉を使っています。

この炭酸泉による温熱療法自律神経免疫療法併用することで治療効果が飛躍的に向上することが期待できます。

では、普通のお風呂に比べてどんな点が治療に役立つのでしょうか?

 

それは、次のような理由があるのです。

炭酸泉とは、CO2つまり二酸化炭素ガス=炭酸ガスがとけ込んだ水です。

一部は電離してイオン化していますが、大部分はそのまま溶け込んでいます。

pHは肌に優しい4.55の弱酸性ですので、炭酸泉は体の外からリラックスをもたらします。

日本は世界有数の火山国で温泉大国ですが、

地下の圧力から解放され地上に湧出した時の源泉が60℃以上の場合、残念ながら炭酸ガスは急激に抜け出しますから、

例え沸き出し口の源泉の温泉分析表にあったとしても、湯船に来る頃には抜けてしまっています。

高濃度の炭酸泉は泉温が25℃以下の炭酸鉱泉として散在し飲用されていますが、

浴用に適した体温程度かそれ以上の炭酸泉はほんのわずかです。

しかも、溶存しているガスが撹拌や熱で容易に抜けてしまう炭酸泉は輸送や再加温には全く向かないため、

今まで利用できないでいました。

 

私たちの炭酸泉は、炭酸ガスが1000ppm以上(炭酸入浴剤を使用しても1錠で50100ppm程度です)と高濃度に含まれており、

「真珠の泡」と呼ばれる細かな泡がシュワーっと肌をつつみ、それがとても心地よいのです。

高濃度の炭酸泉に入浴すると、水に溶け込んだ高濃度の炭酸ガスの一部が皮膚から吸収され、

最終的には呼気から排出されます。

この時、血管内皮細胞が作るNO(一酸化窒素:狭心症のニトログリセリンと同じ作用メカニズム)の作用に加え、

適切な温度では副交感神経の刺激で毛細血管の血流量を決めるバルブの役割をしている細動脈の血管平滑筋(コイル状に締め上げる筋肉で括約筋とも呼ばれています)が緩んで皮膚の血管を一気に拡張させます。

そのため、まず皮膚の血流量が劇的に増えることから始まって、

酸素と二酸化炭素の交換、栄養素と乳酸などの老廃物の運搬、免疫細胞の遊走が効果的かつ全身に波及します。

 

この温熱作用は42℃以上の高温浴でも起こりますが、

高濃度の炭酸ガスを含んだ炭酸泉では3840℃のぬるめの温度域で炭酸ガスを含まない場合に比べて数倍にも達します。

適切な温度の3840℃での炭酸泉温浴は、疲労回復、筋肉痛、関節痛、腰痛などの疼痛緩和、

高血圧、動脈硬化、リウマチに有効とされています。

これに加え、リラックスをもたらす副交感神経優位の体調に導き入れることで、

リンパ球の数・割合および活性が増します。

その結果、自然治癒力を引き出します。

こうした炭酸泉の効果から、特にガンの治療にはとても有力な方法になると考えられています。

それは、ガン細胞は熱に弱いため、体温を上昇させることでガン細胞をやっつけることが出来ます。

次に、ガンに対する攻撃因子として重要な役割を果たすリンパ球は反対に熱に強いため、

弱ったガン細胞をたたくことができます。

そして、体温が高まった状態では副交感神経が優位となるために、リンパ球数が増加します。

 

このように、素晴らしい効果を発揮する炭酸泉と自律神経免疫療法を併用することで、

ガンに対する治療は新たな段階へと踏み出しました。